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カスタムプレゼント

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7ヶ月前に2週間滞在した村に、再び訪れる機会を得ました。首都から反対側に位置する、「ウェーザーコースト」と呼ばれる天候の荒い地域にある村です。この村では、現在のソロモンではもう数える程になった「Moro Movement」の慣習が残っています。

人々は何と言っても外見が衝撃的で、男性はふんどしで過ごし、女性も上半身裸で暮らしています。特殊な地域だと意気込み初日は緊張したのですが、住んでみるととてもあたたかみを感じさせられることが多く、今では思い出深い場所です。

そして今回、嬉しい再会がありました。アヤノちゃんという赤ちゃんです。前回の滞在中、出産を間近に具合を悪くしたお母さんをクリニックに送り届けたことがきっかけで、無事産まれた赤ちゃんにアヤノと名付けてくれたのです。(クリニックへは歩いて1時間なのでボートで送ろうということになったのです。)そしてあれから7ヶ月、もうこんなに大きくなっていました。ソロモンへ来て随分と時が経ったなぁと思わされたものです。

 

そんなとき、まさに異国らしい体験がありました。ある日、このお家のお父さんに「明日の夕方家にきてくれ」と言われたので、太陽が沈み出した頃、水浴びをしてからお家を訪ねました。ところが、出迎えてくれたお父さんは申訳なさそうな表情。

「すまない、娘の名前をもらった君と一緒にカスタムカイカイ(食事)をしたかったのだが、当の娘の具合が悪くて、今日も母さんが歩いてクリニックまで娘を連れて行かなくてはならず、用意ができなかった!」とのこと。

「ええ!その、赤ちゃんの方のアヤノは大丈夫ですか?」
「大丈夫だ、熱も下がったし、治ってきているよ。」
「それはよかった。食事のことなら、気にしないでください。」
「いやいや、本当にすまない、せめてニワトリを1羽プレゼントしようと思っている。町に持ち帰って食べるといい。今母さんが山に探しに行っているところだから、ちょっと待っていてくれ。」

ニワトリ1羽…!?

「あの、待ってください!私は1人暮らしだし、ニワトリをもらっても、その、さばけないし、ここで一緒に食べさせてもらう方がいいので、きっとまた来るので、その時までとっておいてください!」

とその時、片腕に赤ちゃんを抱き、小脇にニワトリを抱えるという格好のお母さんが帰宅しました。同じセリフをお母さんにも繰り返し、2人を説得、ともかくニワトリは持って帰らないことになり、一件落着しました。

ほっとした気持ちで泊まっているお家に戻り、他のスタッフにその話をしたところ、「もったいなーい!私は1羽買ったわよ!」と言われました。そうなのです。出張帰り、たまにボートにお土産のニワトリが乗っていることがあります。荒波の最中、籠から飛び出して驚いたことがあります。

ソロモン人はみな大抵、自宅で屠殺ができるのですね。前回の滞在中は、村のみんなが豚を1匹ご馳走してくれました。山から豚を連れてきて、屠殺し、解体し、私はそれを村の女の子たちと運び、広大な海で血を洗い流すのを手伝いました。その重さに驚き、私が「こういうのは初めて」というと、女の子たちに「じゃあ日本では豚を食べないの?」と言われてしまいました。

目に見えるもの、その捉え方、頭に浮かぶイメージ、すべてが全く違う世界。それでも同じ地球に身を置いている事実。

私が日本に帰る頃、アヤノちゃんはまもなく2歳になるでしょう。

いつもそばにある命の存在に、気がつかせてもらえる旅です。