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サイクロン


日本や世界ではあまりニュースになってはいないですが、ソロモンは4月3日から4日にかけてサイクロンに襲われ、大きな被害を受けました。

災害というのはいつも少し経ってから被害の大きさを思い知らされるもので、雨がひどくなって職場から自宅へ戻り、その少し後に首都の主要な橋が崩れ落ちたという一報が入り、2日待って外へ出て町を歩き、傾いた家や橋がなくなってしまった河を見てようやく、ただ事ではなかったとじわじわと実感するのでした。

先週1週間は嵐のようでした。月曜日「これから忙しくなる」という覚悟とともに、交通マヒした町を徒歩で1時間以上歩き職場へ到着。週末から連絡が取れなかったマネージャーは遅刻。「この災害に対して何かしなくちゃいけないのって、私たちでしょ?!」と私は叫び続け、ようやく10時頃になって私の働く州の保健局全体で「緊急事態につき日常の業務は一旦停止、全員出動!」という招集がかかりました。

ところが話し合いが全然まとまりません。日頃から保健局全体が集まったこともあまりないのです。ああだこうだ話し合っているうちに、局のトップに「州政府の人間がいつまでもオフィスにいては格好が悪いから、とりあえずオフィスを出て行け!!」と追い出されてしまいました。まだ何をするかも決まっていないというのに…。

とりあえず私たちは、看護師2人+公衆衛生1人+環境衛生1人+マラリア1人の5人から成るチームを5組作り、それぞれ村へ繰り出すことにしました。何が入っているのかわからないダンボール箱とともに…(リストくらい添付して欲しい)。

そして熱帯雨林の田舎ならではの壁にぶちあたります。どこに被災した人々が住んでいるのかわからないのです。ジャングルは広大で、村は点在しています。村を探し当て訪ねてみるも、とくにサイクロンの被害は受けていなかったりします。拍子抜けしますが、被害を受けた地域を見つけてみるとやはりひどいので、早くそういった場所を探し当てなくてはという焦りも出てきます。地形や川からの距離などで全然被害状況が違うのでしょう。


私はこの間、オフィスでの統括と村回り両方を行き来しながら、被害が大きいであろう村のリストを作ったり、みんなが必要な情報を集めて帰ってこられるようにフォーマットを作ったりしていました。まずは状況把握に集中して、次の対策へ早く移れるようにしようというプランです。

思えば災害のこれほどど真ん中にいたことは始めてかもしれません。世界から見れば小さな国で起きた小さな事件かもしれないけれど、ど真ん中にいる人たちにとっては間違いなく100%起きている事態です。これから感染症の拡大が見られる地域など集中的に対策に回ります。