ヘルシービレッジプロジェクトの導入
さて、今回はマジメにプロジェクトの話です!
この村へ来たのは、ヘルシービレッジというプロジェクトを導入するためです。これは当時実施されていたJICAの技プロ(技術協力プロジェクト)「マラリア対策システム強化プロジェクトフェーズ2」の活動の1つでした。マラリア対策は私の所属先もパートナーの1つとなっていたので、 私もこの導入に参加させてもらったのです。
ここで行ったことはざっくりと以下5つ。
- 村人による委員会の立ち上げ
- 委員会のトレーニング
- 村の健康実態調査
- 調査結果の分析
- アクションプランの作成
健康実態調査では、50世帯ほどにアンケートをして回りました。家族の健康状態や、食事に関する質問をしていくものです。また、最寄りのクリニックまで行き、そこで該当の村人の診察記録をピックアップし、どんな病気・症状で来院しているのかも調べました。これは地味で大変な作業です。
委員会とは、この村でプロジェクトを実施してくれる人、あるいは村全体を先導してくれる人たちのことです。この村でプロジェクトをすることになったときに、事前に委員会に入る人を選出してもらっていたので、その人たちに集まってもらい、リーダーや書記などの役割分担をしました。このメンバーは村の代表なので、当然女性や若い人を含めるようにしています。そして同じ人ばかり発言しているときには、私たちがファシリテーターとなって他の人の発言を促すようにします。
私は初参加だったので、2までは村人と一緒に話を聴くかたちで参加していましたが、トレーニングで私も一緒に流れを理解したので、3からは自分も主体的に参加しました。
さらに、調査し終わった後には分析の作業が待っています。集まった情報をエクセルで集計していきます。調査よりもさらに地味な作業、しかも分担できないので、1人か2人で担当して作業をします。
集計し終わったらパワーポイントに入れ込み、いよいよ委員会への発表です。
書き忘れましたが、委員会のみなさんには調査にも参加してもらっています。アンケート収集にスタッフと一緒に回ってもらったり、例えばどんな飲み水を飲んでいるのか?という疑問に対し飲み水を手に入れる場所を案内してもらったりしています。
分析結果をもとに、委員会と一緒に改善点を見つけていきます。そしてアクションプランを作ります。今回は1.ゴミ捨て場をつくる、2.トイレをつくる 3.家畜をフェンスに入れるなどのプランが出来上がりました。これらを村人が実行すべく、チームはサポートをしていきます。
さて、2週間の活動をざくっと書いてしまいましたが、導入を一通りお手伝いさせてもらった後、「これ、私もできる!」と思ったのですね。
これから2年、協力隊で何をしようか?というスタート段階でこのプロジェクトの導入に参加させてもらい、私は同じ内容のプロジェクトを自分の配属先で実施させてもらうことを思いつきました。
所属先としては新たなプロジェクトの立ち上げになりますが、私が企画を1から自分で作ったわけではなく、サポートに入らせてもらったJICAのプロジェクトから着想を得ての企画でした。(もちろん、JICAの許可を得て。)
協力隊で何をしようかとお悩みのみなさん、なにも自分で1から考えなくてはいけないわけではありません。どこかで誰かがやっているプロジェクトを、別の場所でやるのは十分有意義ではありませんか?参考にしてもらえると嬉しいです。