協力隊、予算の獲得方法
今日はちょっとカタイですが切実な、協力隊の予算についてお話したいと思います!
配属してすぐにJICA技プロの活動の1つであるヘルシービレッジプロジェクトの導入に同行させてもらった私。ヘルシービレッジは、マラリア対策に留まらない、包括的な保健のプロジェクトで、しかも参加型コミュニティ開発だったので、まさに私のやりたいことに近い!と思い、同じ内容のプロジェクトを自分の所属先で始めようと思いました。
これをボスに打診したところ、「いいね!」と言ってもらえたので、企画書と予算書を作成し、AUSAID に申請しました。AUSAIDというのは、日本のJICA、アメリカのUSAIDに位置する、オーストラリアの ODA資金を出している機関です。ちなみに、当時配属先の予算のほとんどは、世界エイズ・結核・マラリア対策基金からきていました。それに続いてAUSAID、JICAで、JICAはマラリア対策の技プロをやっており、配属先はそのパートナーの1つになっていました。
協力隊として派遣されたにも関わらず、配属先に活動資金が全然ないという方は、結構いるのではないかと思います。1つの組織の中でも、部署によって予算規模はそれぞれです。マラリアは資金を得易い分野だと思います。なので私の場合は予算獲得にそれ程苦労することなく、自分たちの予算を使って他部署まで巻き込むことができました。もし、あなたの部署に予算がないのであれば、予算のありそうな部署を見つけて、連携を提案してみると良いかもしれません。予算が潤沢かどうかは、オフィス内を見渡しただけでわかると思います。PCが何台あるか、コピー機があるか、あるいは車を何台持っているか… などですね。
さて、ヘルシービレッジはマラリアに特化したプロジェクトという訳でもないのに、無事AUSAIDから予算承認をもらいました。当時は「すごいなーAUSAID、太っ腹だなー」なんて思っていましたが、今思えば決め手は予算の低さだったのではないかと…。私自身が、誰に言われた訳でもなくなぜだかコスト削減を意識していたのと、プログラムの全てを自前で(所属先のスタッフたちで)やっていたり、宿泊も村人の家に寝泊まりしていたりしたので、このプロジェクトは全体的にコストがとても低かったのです。
ちなみに協力隊後にJICAや外務省のプロジェクトで予算管理をする立場になりましたが、自分がソロモンで扱っていた予算の金額と規模が全然違うので最初は驚きました。
さて無事承認され、ブロカライ村という、ガダルカナル島の北西にある村でプロジェクトを導入をすることになりました。この村、予算作成の段階で車で行くか?ボートにするか?という議論がありました。「どっちがオススメ?」とボスに聞いたところ、「うーん、車の方が安い。」とのコメント。車とボートではガソリンの種類が違い、ボートだとそれは倍額になります。「じゃあ車にしようか?」と言ったところ、「うーんでもな、途中で川がある。時間によっては、車で渡れないかもしれない。いやいや…でもきっと大丈夫だ、朝早く出れば大丈夫!」車で川を渡るのかぁ、とは思いましたが、結局予算書に載せたのは車のガソリン代のみでした。
そしてブロカライ村への初出張当日!
途上国あるあるの例にもれず、出発は遅れました。夕方に近く頃、問題の川に到着。やはり、川はやや増水ぎみでした。「何とかいけるかも」というドライバーの判断で、車は勢いよく川の中へつき進んだものの、私たちチームを乗せた車は川のど真ん中でハマってしまいました。みんなで飛び降りて、さらに周辺にいた村人に助けを求め、大人数で車を押し出しました。(私は写真を撮っていました、ごめんなさい。)
何とか川は突破できたものの、コスト削減ばかりが良い訳ではありませんね!勉強になりました!