ヘルシービレッジライフ
ヘルシービレッジプロジェクトの導入で訪れた村では、まるまる2週間、ソロモンの村生活を体験しました。高床式の木でできた小屋に寝泊まりし、牧を使って炊いたご飯を食べ、冷たい水で水浴びをし、空き時間には村の人々の生活にくっついて過ごしていました。
ダイアナという女の子と仲良くなりました。生活の1つ1つが首都の家のそれとは違うので、シャワーを浴びたいとか、洗濯をしたいとか、なんでも彼女に聞いて、村でのやり方を教わりながら過ごしていました。
シャワーはこの勢いの良い水道設備(?)で浴びていました。囲いがないので大人はみなさん服を着たまま(といってもトップレスだったりはしますが)浴びています。海が広がる絶景での水浴びは爽快です。暗くなると寒いので、日が登っているうちに済ませます。
一番最初に訪れた先が伝統が色濃く残る村だったことから、その後の出張でも心がけようと思うこと、あまり自分で勝手に行動しない方が良いということを学びました。こういった村では、自分では想像もしないようなルールがあったりします。
例えばダイアナと海岸を歩いるとき、私がボートに触れようとしたら「女はボートに触っちゃダメよ」と言われました。釣りは男性の仕事で、女性はその道具に触れてはいけないのだそうです。また男性が釣りをするときは、必ず民族衣装で行わないといけないのだそう。同じ理由で、男女ともに畑に入るときは民族衣装を着るのだそう。つまり私のように洋服を着た人間は畑に入ることができません。
その他にも、村の中には触ってはいけない木などがあったりしました。神聖な木なのだそうですが、私には見分けがつきませんでした。
ある日、到着前にチームのみんなから「瞬間移動できる人がいる」と聞いていたことを思い出し、みんなと夕食をとっている時にその話をしてみました。
「瞬間移動できる人がいるって本当?」
「本当だよ。ホニアラへ行ってパンを買って、パンがほかほかのうちに持って帰って来られるよ。」
みんな同じことを言う…。ソロモン人が瞬間移動の能力を手に入れたとして、共通の叶えたい望みがこれなのでしょうか?
「どこにいるの?」
「瞬間移動できるのはデビルだよ」
「デビル?どんなデビル?」
「大きくて、片手の小指に小さなカバンをぶら下げてるんだよ。」
「なんだか怖くないね…。」
「怖いさ。」
片手の小指に小さなカバンを下げて、瞬間移動でホニアラへ行き、ほかほかのパンを持ち帰ってくるデビル…。次の出張ではぜひ会いたい、と思うのでした。